お坊さんとお経の話

数ヶ月前に、私の大伯母に当たる方が亡くなりました。
尼崎に住んでおり、生前はとても良くしてもらい、仲も良好で、おばあちゃんがもう一人出来た、と幼い頃は思っておりました。
聡明で気の強い大伯母でしたが、晩年は痴呆症や脳梗塞を発症し、見るのも辛くなる程痩せこけてしまいました。

そんな大伯母が危篤になりました。
それまでの1週間は全く何も口に出来なかった大伯母に、少しの水とリンゴジュースを含ませました。
看護師の伯母(大伯母の娘)によると、皮下出血やチアノーゼ、肩で息をする状態になったので、もうもたないとのことで、食べることが好きだった大伯母の口を寂しくしたまま、逝かせたくなかったのです。
それを口にした後、大伯母は一筋の涙を流しました。
もう声が出なくなった口で、一生懸命何かを呟いていたのですが、私たちには聞き取ることが出来ませんでした。
そのまま、静かに彼女は旅立ちました。
私たち親族一同で、最期を看取りました。人の死に目に合ったのは初めてでした。

その後の葬儀では、生前の大伯母らしい、明るい式となりました。
大伯母の幼なじみでのお坊さんに供養を頼んだのですが、何だかおかしい。お経が飛び飛びになっているのです。
そして一言、「お経を忘れたので本を貸して下さい」。
親族一同はどっと笑いに包まれました。
式ではもちろん涙に包まれましたが、笑顔もよく見られ、素晴らしい式になったと思います。
知り合いの方からここの葬儀屋さんは親切だときいていましたので、評判どおりよい会社でした。おじからはここ愛真セレモニーをすすめられましたが。